「和食」といってもその言葉の示す範囲は計り知れないものです。丼物やお寿司、天ぷらも、うどんなども和食です。
ここでは日本家庭の基本スタイル「一汁三菜」を和食とし、健康面でのメリットとデメリットを探ってみましょう。
Contents
和食が健康に良いといわれる理由ベスト4
▼栄養バランスに優れて健康的
日本の家庭料理における基本構成で馴染みのある一汁三菜は、主食であるご飯と汁物のお味噌汁1品とおかずを3品で一汁三菜になります。
ご飯でエネルギー源となる炭水化物を、汁ものとおかずで水分や他の栄養素をとり、おかずでその他の栄養をバランスよくとることができます。
3品のおかず(主菜1品と副菜2品)の主菜は魚や肉、卵、豆腐などのたんぱく質を中心としたものにし、副菜は野菜や芋、豆、茸、海藻などでビタミンやミネラル、食物繊維がたっぷりとれます。
和食では通常、3品「焼き物」「煮物」「和えもの(酢のもの)」といった異なった調理法の料理で構成され、栄養的にも一度の食事で様々な栄養素を摂取する点が優れています。
▼発酵食品
味噌、醤油、漬物など高温多湿の日本ならではの多彩な発酵食品が存在します。
この発酵食品には、生きた酵素や植物性乳酸菌が豊富に含まれています。免疫力を上げたり、消化を促進したり、血行を良くしたりなどの優れた効果があります。
和食には加熱しない料理が多いので、この生きた酵素が効果的に体内で働いてくれて、老化を遅らせてくれるのにも役立ってくれています。
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▼低脂肪、低カロリー
和食は、お米(ジャポニカ米)を中心とする穀類、野菜、魚介類と海藻が主な食材となります。もともと調理に油を使用する料理は少なく、脂肪分といえば、魚介類の良質な油を摂ってきました。肉食文化が強い欧米に比べると脂肪分が少なく、カロリーが低い食事が多いのも和食の魅力のひとつです。
▼素材の良さを生かした薄口の味付け
「和食」に欠かせない味の要素のひとつにうま味があります。昆布の主成分グルタミン酸、かつお節に含まれるイノシン酸、干しシイタケに含まれるグアニル酸や発酵・熟成食品や干物、野菜など、また調理の前に塩をふった魚や肉にうま味があることが明らかになっています。
出汁などの旨味は、煮物や汁物、様々な料理に活用されますが、奥行きのある味を生むだけでなく、使う調味料を減らせるというメリットもあります
和食健康効果
健康的な食事スタイルとして世界的に注目され、海外でも和食の健康増進の効果は注目されています。
肥満予防・改善のために、ごはんを主食とした日本の食文化の再評価が始まっています。和食を活用することが、糖尿病の予防・改善や、良好な血糖コントロールを維持するためにも効果的とされています。
健康に良いレシピ紹介
さつま芋の葡萄煮
≪材料≫2~3人分
さつまいも・・・1本(約300g)
レーズン・・・50g
洗い用の塩・・・少々
だし・・・200cc
調味料(醤油 大さじ1、料理酒 大さじ1、みりん 少々、*砂糖 小さじ1)
≪作り方≫
1、さつまいもは皮ごとよく洗い、皮付きのまま1~1.5cm幅に切り、水にさらす。
2、レーズンは塩少々でもみ、ぬるま湯でよく洗う。
3、鍋にさつまいもとレーズン、水、調味料を入れて煮る。
4、つぐつと音がしてきたら、落し蓋をして弱火にかけ、さつまいもに竹串が通るまで煮る。
5、さつまいもに火が通ったら、火を止め、そのまま放置し、味をしみこませる。
6、器に盛って出来上がり。
和食の気をつけたい点
まず1つ目は、カルシウムの不足です。昔は、小魚やひじき、切干大根、豆腐などがよく登場していたので毎日カルシウムを摂ることができていました。しかし、現代の食卓で、比較的よく登場するのはこの中では豆腐くらいになっています。また、出汁をとる時も、昔は、小魚や昆布、しいたけなどからとっていましたが、現代では手軽な顆粒だしなどを使うことが多く、カルシウムが取れなくなっているのです。
一方で、摂りすぎてしまうものがあります。それが「塩分」です。
日本の伝統的な朝食のメニューを思い浮かべると、塩蔵保存された焼き魚にみそ汁、納豆、玉子焼きに、海苔や梅干、漬物などでしょうか。見ただけでも塩分が多いのは明らかです。
では、上手に和食を摂るにはどうすればいいのでしょうか。
和食を上手に食べるポイント
- レトルト、インスタント、化学調味料などはなるべく避ける
- 塩、しょうゆはあまり使わず、天然だしの旨味を利用する
- 新鮮な食材を使って素材の味を楽しむ
- 薄味の物足りなさはこしょうなどのスパイスや、お酢やレモンや旬の薬味で補う
- 大豆製品を積極的に摂る
- カリウム(塩分を排出する作用のあるミネラル)を多く摂る
ホウレン草、ニンジン、ジャガイモ、サトイモ、納豆、枝豆、ワカメ、昆布、シイタケ、バナナなど
和食の良い面はたくさんあるので、これらのポイントをうまく利用して、よりおいしくて、カラダに優しい食事を摂れるといいですね。